「事業計画書って、どうやって書けば銀行の融資担当者に響くの?」
「数字で説得するって言うけど、具体的にどうすればいいんだろう…」
あなたは今、こんな悩みを抱えていませんか?
こんにちは!元銀行員のファイナンシャルプランナー、田中美咲です。
銀行員時代、たくさんの事業計画書を見てきました。
その経験から言えるのは、融資担当者には“本音”があるということ。
そして、その“本音”に応える事業計画書こそが、融資の大きなカギになるんです。
「でも、私、数字が苦手で…」という方も大丈夫!
今日は、元銀行員だからこそお伝えできる、説得力のある数字の見せ方、そして事業計画書作成のコツを、今日からすぐに使える形でお話ししますね。
一緒に、あなたの夢を実現するための第一歩を踏み出しましょう!
目次
なぜ「事業計画書」が融資のカギになるのか
「事業計画書って、本当にそんなに大事なの?」と思われるかもしれませんね。
ええ、とっても大事なんです!
特に銀行から融資を受けたいと考えているなら、避けては通れない道と言えるでしょう。
銀行が事業計画書で見ているポイント
銀行の融資担当者は、事業計画書からたくさんの情報を見抜こうとしています。
例えば、こんなポイントです。
- 事業の将来性:このビジネスは本当に成長するのか?
- 返済能力:貸したお金をきちんと返してくれるのか?(これが一番大事!)
- 経営者の本気度と能力:この人に任せて大丈夫か?
これらを判断するために、事業内容はもちろん、市場の分析、そして何よりも「数字の計画」をじっくりと見ています。
「この計画なら、確かにお金を生み出せそうだ」と納得してもらう必要があるんですね。
「情熱」だけでは通らない、数字の裏付けの重要性
「この事業にかける情熱は誰にも負けません!」
その熱い想いは、もちろん大切です。
でも、銀行員だった私の経験からすると、情熱だけでは融資の審査は通らないんです…。
なぜなら、銀行は「貸したお金が、利息とともにきちんと返ってくるか」を最も重視するから。
その判断材料となるのが、客観的な「数字」による裏付けなんですね。
あなたの情熱を形にし、それを支える具体的な数字を示すことで、初めて融資担当者は「この事業になら投資できる」と判断してくれるのです。
「なるほど、この計画なら利益が出て、返済も問題なさそうだな」と。
よくあるNG事例とその理由
これまでたくさんの事業計画書を見てきましたが、中には「うーん、これではちょっと…」と頭を抱えてしまうものもありました。
いくつか代表的なNG事例とその理由をご紹介しますね。
- 希望的観測だけの甘い見通し:
- 「きっと売れるはず」「来年には倍になる予定」といった、根拠の薄い数字が並んでいる。
- 理由:銀行は現実的な計画を求めています。夢を語ることは大切ですが、その夢をどうやって現実に変えていくのか、具体的な数字で示す必要があります。
- 誰が見ても「?」な資金計画:
- 何にいくら必要なのか、そのお金をどうやって集めるのかが曖昧。
- 理由:資金計画の曖昧さは、経営計画全体の曖昧さにつながります。「この人、本当にお金の管理ができるのかな?」と不安にさせてしまうんです。
- 市場や競合の分析が浅い:
- 「うちのサービスは最高だから大丈夫!」と、周りが見えていない。
- 理由:どんなに素晴らしい商品やサービスでも、市場のニーズや競合の状況を理解していなければ成功は難しいもの。客観的な分析が欠けていると、「独りよがりな計画だな」と思われてしまいます。
これらのNG事例、実は意外と多いんです。
でも大丈夫、今日お話しするポイントを押さえれば、しっかりとした事業計画書が作れるようになりますよ!
説得力を生む「数字の見せ方」の基本
さて、ここからは具体的に「どうすれば数字で説得できるの?」という疑問にお答えしていきますね。
数字の見せ方には、ちょっとしたコツがあるんです。
売上・利益予測はこう作る!3つのステップ
「売上予測って、なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんね。
でも、大丈夫!基本的なステップを踏めば、誰でも作れるようになります。
私がおすすめするのは、この3つのステップです。
1. まずは根拠集め!
* 過去の実績があるなら、それが一番の土台になります。
* 新規事業なら、似たようなビジネスモデルの事例を探したり、市場調査データ(例えば、ターゲット顧客層の消費動向など)を集めたりしましょう。
* 「これくらいはいけるだろう」という勘ではなく、「このデータに基づくと、こうなるはず」というロジックを組み立てるのがポイントです。
2. 前提条件をしっかり設定!
* 集めた根拠をもとに、「客単価は〇〇円」「1日の来店客数は△△人」「成約率は□%」といった具体的な前提条件を設定します。
* この前提条件が、売上予測のリアリティを左右するんです。
3. いよいよ計算!でもシンプルに!
* 設定した前提条件を使って、売上を計算します。例えば、「客単価 × 来店客数 × 営業日数」といった具合です。
* 利益は、その売上から仕入れコストや経費を差し引いて計算します。最初は難しく考えず、大まかな数字でOKですよ。
この3ステップで、まずはざっくりとした売上・利益予測を作ってみましょう。
最初から完璧を目指さなくて大丈夫です!
根拠のない希望的観測はNG!信頼される前提条件の示し方
先ほどのステップでも触れましたが、売上予測で一番大切なのは「前提条件の信頼性」です。
「なんとなく、これくらい売れたらいいな〜」という希望的観測だけで数字を作ってしまうと、融資担当者にはすぐに見抜かれてしまいます。
では、どうすれば信頼される前提条件を示せるのでしょうか?
ポイントは、「なぜ、その数字だと言えるのか?」を明確にすることです。
例えば、カフェを開業する場合の売上予測を考えてみましょう。
- NGな例:「1日の売上目標は10万円です!」(根拠が不明)
- OKな例:
- 「近隣の競合カフェA店の客席数は30席で、平均客単価は約800円、ランチタイムの回転率は2回程度と調査しました。」
- 「当店は20席なので、同様の運営を目指した場合、平日ランチの売上は 800円 × 20席 × 2回転 = 32,000円 と見込みます。」
- 「さらに、夕方以降はアルコール提供も行うため、客単価1,500円、1回転を見込み、1,500円 × 20席 = 30,000円。合計で1日約62,000円の売上を見込んでいます。」
このように、具体的な調査結果や分析に基づいて前提条件を示すことで、ぐっと説得力が増しますよね。
「なるほど、この前提ならあり得るかもしれない」と相手に思ってもらうことが大切なんです。
美咲のワンポイントアドバイス
前提条件は、一つだけでなく複数パターン(例えば、「保守的なケース」「標準的なケース」「楽観的なケース」など)を用意しておくと、リスク管理能力もアピールできて、さらに信頼度がアップしますよ!
キャッシュフロー計算書を“味方”にするポイント
「キャッシュフロー計算書って、なんだか専門的で難しそう…」
そう感じる方も多いかもしれませんね。
でも、実はこれ、会社のお金の流れを把握するとっても重要な書類なんです。
そして、融資担当者も必ずチェックするポイントの一つ。
簡単に言うと、キャッシュフロー計算書は「会社に実際どれだけお金が残っているか、そしてそれはどうやって増減したのか」を示すものです。
損益計算書で利益が出ていても(黒字でも)、手元にお金がなければ会社は立ち行かなくなってしまいますよね(これを黒字倒産と言います)。
融資担当者は、このキャッシュフロー計算書を見て、
「ちゃんと本業でキャッシュを生み出せているかな?」
「無理な投資をしていないかな?」
「借りたお金をちゃんと返せるだけのキャッシュが残りそうかな?」
といったことを確認しています。
特に「営業活動によるキャッシュフロー」がプラスになっているかは重要です。
これは、本業でしっかりとお金を生み出せている証拠。
ここがマイナスだと、「あれ?この会社、本業で儲かってないのかな?」と心配されてしまう可能性があります。
キャッシュフロー計算書をしっかり作成し、お金の流れをきちんと管理していることをアピールできれば、融資担当者にとってあなたは「お金の管理ができる、信頼できる経営者」と映るはずです。
まさに“味方”になってくれる書類なんですよ!
元銀行員が教える!融資担当者が注目する数字とは?
銀行員は、事業計画書の数字を隅々までチェックします。
でも、特に「ここだけは!」という注目ポイントがあるんです。
それを事前に知っておけば、対策も立てやすいですよね。
「利益率」「回収サイト」「自己資金率」って何?
利益率:あなたのビジネスの「稼ぐ力」は?
利益率は、売上に対してどれだけ利益が出ているかを示す割合のこと。
例えば、売上高総利益率(粗利率)なら「売上から売上原価を引いた利益が、売上の何%か」を示します。
これが高いほど、効率よく稼げている証拠。
銀行員は、この利益率を同業他社と比較したり、過去からの推移を見たりして、「このビジネスはちゃんと儲かる仕組みになっているかな?」と判断します。
業種によって平均的な利益率は異なるので、事前に調べておくと良いでしょう。
回収サイト:売ったお金、いつ入ってくる?
回収サイトとは、商品を販売したりサービスを提供したりしてから、実際にその代金が入金されるまでの期間のこと。
例えば、「月末締めの翌月末払い」なら、回収サイトは約1ヶ月ですね。
この期間が長すぎると、売上は立っているのにお金が手元にない「資金繰りが苦しい…」という状況に陥りやすくなります。
銀行員は、「売掛金の回収はスムーズかな?」「運転資金は足りているかな?」といった視点でチェックしています。
自己資金率:どれだけ自分で用意した?
自己資金率は、事業を始めるにあたって、あるいは事業全体の中で、自分で用意したお金(自己資金)がどれくらいの割合を占めるか、ということです。
例えば、開業資金1,000万円のうち、自己資金が300万円なら自己資金率は30%。
この比率が高いほど、「本気でこの事業に取り組む覚悟があるんだな」「借入への依存度が低くて安心だな」と銀行は評価します。
一般的に、融資を受ける際には、ある程度の自己資金を求められることが多いですね。
日本政策金融公庫の創業融資などでは、目安として必要な資金の1/10以上、できれば1/3程度あると良いと言われています。
これらの数字は、あなたの事業の健康状態を示すバロメーターのようなもの。
しっかり把握しておきましょう!
銀行員のチェック項目を先回りするには?
銀行員が融資審査でどんなところを見ているか、もう少し具体的にお話ししますね。
これを事前に知っておけば、事業計画書で何を強調すべきかが見えてきます。
- 返済能力は十分か?
- これが最重要!利益計画やキャッシュフロー計画から、毎月の返済額を差し引いても十分に資金が残るかを見ます。
- 資金使途は明確で妥当か?
- 借りたお金を何に使うのか?それは本当に事業に必要な投資なのか?金額は適切か?
- 例えば、「運転資金」とだけ書くのではなく、「〇〇の仕入れ代金として△△万円、□□の広告宣伝費として××万円」のように具体的に示すことが大切です。
- 事業の成長性・安定性は?
- 市場は伸びているか?競合との差別化はできているか?継続的に収益を上げられるビジネスモデルか?
- 財務状況は健全か?
- 債務超過(負債が資産を上回っている状態)ではないか?
- 手元の現預金は十分か?(目安として月商の2~3ヶ月分あると安心です)
- 経営者の資質・経験は?
- 事業に関連する経験やスキルは十分か?事業に対する熱意やビジョンは明確か?
- そして、何よりも「この人は信頼できるか?」という人間性も見られています。
これらの項目を意識して事業計画書を作成し、面談に臨むことで、銀行員の疑問や不安を先回りして解消することができますよ。
美咲流「財務3点セット」の作り方と見せ方
「財務3点セット」って聞いたことありますか?
これは、会社の財務状況を把握するための基本となる3つの書類のこと。
具体的には、「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「キャッシュフロー計算書(C/F)」を指します。
難しく感じるかもしれませんが、それぞれの役割を理解すれば大丈夫!
- 貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう / B/S:バランスシート)
- 何がわかるの?:ある一時点での会社の財産(資産)と借金(負債)、そして純粋な自分のもの(純資産)のバランスを示します。会社の健康診断書のようなもの。
- 銀行が見るポイント:自己資金率(純資産÷総資産)、流動比率(流動資産÷流動負債=短期的な支払い能力)など。資産と負債のバランスが取れているか、財務的に安定しているかを見ます。
- 損益計算書(そんえきけいさんしょ / P/L:プロフィットアンドロス ステートメント)
- 何がわかるの?:一定期間(通常1年間)に、会社がどれだけ儲けたか(収益)、そのためにどれだけ費用を使ったか、そして最終的にどれだけ利益が出たか(または損失が出たか)を示します。会社の成績表のようなもの。
- 銀行が見るポイント:売上高、各利益(売上総利益、営業利益、経常利益、当期純利益)、利益率など。きちんと利益を出せる構造になっているか、成長しているかを見ます。
- キャッシュフロー計算書(C/F:キャッシュフローステートメント)
- 何がわかるの?:一定期間に、会社の現金がどのように増減したかを示します。お金の流れそのものを見る書類です。
- 銀行が見るポイント:営業活動によるキャッシュフロー(本業での稼ぎ)、投資活動によるキャッシュフロー(設備投資など)、財務活動によるキャッシュフロー(借入や返済など)。特にお金を生み出す源泉である営業キャッシュフローがプラスになっているかを重視します。
これら3つの書類は、それぞれが独立しているのではなく、互いに関連し合っています。
例えば、損益計算書で出た利益は、貸借対照表の純資産を増やし、キャッシュフロー計算書の現金の増減にも影響します。
だから、3つセットで見て、全体の整合性が取れていることが大切なんです。
「自分で作るのは難しそう…」という方は、会計ソフトを使えば比較的簡単に作成できますし、税理士さんなどの専門家に相談するのも良い方法ですよ。
大切なのは、これらの書類が何を示しているのかを理解し、自分の言葉で説明できるようになることです。
数字が苦手でも大丈夫!事業計画を整える3つのコツ
「やっぱり数字は苦手…」という方も、諦めないでください!
ちょっとした工夫で、数字のハードルはぐっと下げられます。
ここでは、数字が苦手な方でも事業計画を整えやすくなる3つのコツをご紹介しますね。
数字を「図」で見せるだけで伝わり方が変わる
数字の羅列って、見ているだけで頭が痛くなってきませんか?(笑)
でも、その数字をグラフや表といった「図」にするだけで、驚くほど分かりやすくなるんです。
例えば、売上の推移。
数字だけで「1月は100万円、2月は120万円、3月は150万円…」と書かれていてもピンと来なくても、折れ線グラフで右肩上がりに伸びているのを見れば、一目で「お、順調に成長しているな!」と伝わりますよね。
他にも、
- 費用の内訳 → 円グラフ
- 競合との比較 → レーダーチャートや比較表
- 売上目標と実績の比較 → 棒グラフ
など、伝えたい内容に合わせて図を選ぶのがポイントです。
パワーポイントやExcelなど、身近なツールでも簡単に作れますよ。
視覚的に訴えることで、相手の理解を助け、あなたの事業計画の魅力をより効果的に伝えることができるんです。
「百聞は一見に如かず」ですね!
クラウド会計ツールを活用してラクに見える化
「帳簿付けとか、財務諸表作成とか、もう無理!」
そんな悲鳴を上げているあなたに朗報です!
今は、クラウド会計ツールという強い味方があるんです。
これらのツールを使うと、
- 日々の取引を入力するだけで、面倒な仕訳や計算を自動で行ってくれる。
- 貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書といった財務諸表も、ボタン一つで作成できることが多い。
- リアルタイムで経営状況をグラフなどで「見える化」してくれる。
など、経理や財務の専門知識があまりなくても、事業のお金の動きを把握しやすくなります。
月額数千円から利用できるものも多く、税理士さんと連携しやすい機能がついているものもあります。
私もフィンテックスタートアップにいた経験から、こうしたツールの進化には本当に驚かされています。
「数字の管理はツールに任せて、自分は事業に集中したい!」という方には、まさにピッタリ。
無料お試し期間があるサービスも多いので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか?
「伝える」から「伝わる」へ:言葉と数字のバランス
事業計画書は、数字だけで成り立っているわけではありません。
その数字が何を意味し、どんな背景から出てきたのかを説明する「言葉」も、同じくらい大切なんです。
特に数字が苦手な方は、つい数字を並べるだけで終わってしまいがち。
でも、それでは相手に意図が伝わりにくいことがあります。
大切なのは、「伝える」だけでなく「伝わる」ことを意識すること。
- 専門用語はなるべく避け、誰にでも分かる平易な言葉を選ぶ。
- 数字の根拠や、その数字から何が言えるのかを、自分の言葉で丁寧に説明する。
- 事業にかける想いやストーリーを、数字と結びつけて語る。
例えば、「売上目標は月間500万円です」と伝えるだけでなく、
「私たちのターゲット顧客層は〇〇で、その市場規模は△△億円です。独自のマーケティング戦略により、初年度はこの市場の□%を獲得し、月間500万円の売上を目指します。この数字は、私たちのチームのこれまでの実績と、テストマーケティングの結果に基づいています」
というように、言葉で補足することで、数字に説得力とリアリティが生まれます。
数字と言葉、この二つがバランス良く組み合わさったとき、あなたの事業計画は相手の心に深く「伝わる」ものになるはずです。
説得力アップのために押さえておきたい補助的資料
事業計画書の数字や言葉をさらに補強し、説得力を高めるために役立つのが「補助的資料」です。
「ここまで準備しているのか!」と、融資担当者に良い印象を与えることもできますよ。
売上の裏付けになる「契約書・見積書」の提示方法
「売上予測、本当に達成できるの?」
融資担当者が抱くこの疑問に、最も効果的に答えられるのが、実際の契約書や確度の高い見積書です。
例えば、
- 既に受注が決まっている案件の契約書
- 顧客から発行依頼があった見積書(特に、金額や条件が具体的に詰まっているもの)
これらを提示することで、「絵に描いた餅」ではなく、現実的な売上見込みがあることを証明できます。
提示する際のポイント
- 事業計画書の売上予測と、どの契約書・見積書が関連しているのかを明確にする。
- 一覧表を作成し、契約先、金額、契約期間などをまとめて見やすくするのも良いでしょう。
- 個人情報や機密情報が含まれる場合は、マスキング処理をするなどの配慮も忘れずに。
「口だけでなく、ちゃんと証拠もあるんですよ」という姿勢が、信頼につながります。
「競合分析」「市場規模」の簡単なリサーチ方法
「あなたのビジネス、市場で本当に通用するの?」
この問いに答えるためには、競合の状況や市場全体の大きさを把握しておく必要があります。
でも、「本格的なリサーチなんて難しそう…」と思いますよね。
大丈夫、簡単な方法でも十分に役立つ情報は得られますよ!
競合分析のヒント
- インターネット検索:競合となりそうな会社やお店を検索し、ウェブサイトやSNSをチェック。どんな商品・サービスを、いくらで、どんなターゲットに提供しているか見てみましょう。
- 実際に利用してみる:可能であれば、競合の商品やサービスを実際に利用してみるのが一番!良い点、改善してほしい点など、顧客目線で分析できます。
- 口コミサイトの活用:食べログ、ホットペッパービューティー、価格.comなど、業界ごとの口コミサイトには、顧客の生の声が集まっています。
市場規模の調べ方
- 公的機関の統計データ:
- e-Stat(政府統計の総合窓口):様々な分野の統計データが見つかります。
- RESAS(地域経済分析システム):地域の産業構造や人口動態などが分かります。
- 業界団体のレポート:各業界団体が、市場動向に関するレポートを公開していることがあります。
- 調査会社の公開情報:矢野経済研究所やMM総研などの民間調査会社が、市場規模の推計や予測を一部無料で公開している場合があります。
- キーワード検索:「〇〇(業界名) 市場規模」「△△(商品名) 動向」などで検索すると、関連情報が見つかることも。
これらの情報を集め、「市場はこれくらいの大きさで、こんな競合がいるけれど、自分たちの強みはこうだから、これくらいのシェアは狙えるはず」というストーリーを組み立てていきましょう。
自分の信用力を高めるプロフィールの見せ方
融資は、「事業」だけでなく「人」に対しても行われます。
「この人なら、きっと事業を成功させてくれるだろう」
「この人なら、誠実に返済してくれるだろう」
そう思ってもらうことが、とても大切なんです。
事業計画書に添えるプロフィール(経歴書)で、あなたの信用力をアピールしましょう。
プロフィールで伝えたいこと
- 事業に関連する職務経歴:どんな会社で、どんな仕事をして、どんな実績を上げたのか。具体的な数字を交えて説明できるとベストです。
- 専門知識やスキル、資格:事業運営に役立つ知識や技術、取得している資格などを記載します。
- 事業への想いやビジョン:なぜこの事業を始めたいのか、どんな社会貢献をしたいのか。熱意を伝えることも重要です。
- 過去の事業経験(あれば):成功体験だけでなく、失敗体験から何を学んだかを語ることも、誠実さのアピールにつながります。
美咲のここだけ話
私が銀行員だった頃、意外と見ていたのが「お金に関する誠実さ」です。例えば、過去にクレジットカードの支払いやローンの返済で延滞を繰り返していたりすると、やはり印象は良くありません。日頃から、お金に対して誠実であることが、巡り巡ってあなたの信用につながるんですよ。
嘘や誇張は禁物ですが、あなたの強みや経験をしっかりと伝えることで、融資担当者の信頼を得やすくなります。
銀行だけじゃない!今どき資金調達における事業計画の活用
事業計画書は、銀行融資のためだけに作るものではありません。
実は、今の時代、様々な資金調達の方法があり、その多くで事業計画書が重要な役割を果たすんです。
一度しっかり作り込んでおけば、色々な場面で活用できますよ!
クラウドファンディングで使えるストーリー設計
最近よく耳にする「クラウドファンディング」。
インターネットを通じて、不特定多数の人から少額ずつ資金を集める仕組みですね。
このクラウドファンディングを成功させるためにも、魅力的な事業計画(プロジェクト計画)が不可欠です。
銀行融資向けの事業計画書との大きな違いは、「共感」や「応援したい気持ち」に訴えかけるストーリー性がより重視される点です。
- なぜこのプロジェクトを始めたいのか?(背景・課題)
- このプロジェクトで何を実現したいのか?(ビジョン・解決策)
- 実現したら、どんな未来が待っているのか?(社会へのインパクト)
これらの要素を、感情に訴えかける言葉で紡ぎ、支援者の心を動かすストーリーを設計しましょう。
もちろん、資金の使い道やリターン(支援者へのお返し)の計画も明確に示す必要があります。
事業計画書で練り上げた数値計画や事業の強みは、クラウドファンディングのプロジェクト説明でも大いに役立ちますよ。
VC・エンジェル投資家へのプレゼンでも生きるポイント
ベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル投資家からの出資を目指す場合も、事業計画書は必須アイテムです。
彼らは銀行とは異なり、事業の「高い成長性(スケーラビリティ)」や「大きなリターン(キャピタルゲイン)」を期待しています。
そのため、事業計画書では以下の点を特に強調する必要があります。
- 市場の成長性:どれだけ大きな市場で、今後どれだけ伸びる可能性があるのか。
- 独自の強み・模倣困難性:競合にはない、圧倒的な強みは何か。簡単に真似されないか。
- 収益モデル:どのようにして、大きな収益を上げていくのか。
- チーム:この事業を成功させられるだけの優秀なメンバーが揃っているか。
- イグジット戦略:将来的に株式公開(IPO)やM&A(事業売却)によって、投資家が利益を得られる道筋を示せるか。
銀行融資向けの事業計画書をベースにしつつ、これらの「成長」に関わるポイントをよりシャープに、そして魅力的に伝える工夫が求められます。
「この事業に投資すれば、将来大きなリターンが得られそうだ!」と期待させるプレゼンテーションを心がけましょう。
補助金申請に役立つ事業計画の再利用法
国や地方自治体などが提供している「補助金」や「助成金」も、有効な資金調達手段の一つです。
これらの申請においても、多くの場合、事業計画書の提出が求められます。
銀行融資やVC向けの事業計画書と共通する部分も多いですが、補助金の種類によっては、独自の審査ポイントがあることも。
例えば、
- 新規性・革新性:新しい技術やアイデアに基づいているか。
- 社会貢献性:地域活性化や雇用創出、環境問題の解決などに貢献するか。
- 実現可能性と効果:計画は現実的で、補助金が効果的に活用されるか。
申請する補助金の公募要領をよく読み込み、審査員に「この事業は、まさにこの補助金の目的に合致している!」と思ってもらえるように、既存の事業計画書をカスタマイズしていくことが大切です。
事業の目的や社会的意義を、補助金の趣旨と結びつけて説明する視点を持つと良いでしょう。
まとめ
さて、ここまで「事業計画書」の作り方と、説得力のある数字の見せ方についてお話ししてきました。
いかがでしたでしょうか?
「数字で語る」ということは、決して難しいことではありません。
大切なのは、あなたの事業への想いを、客観的な事実と論理的な計画で裏付けていくこと。
その「伝える力」は、実は数字から始まるんです。
「やっぱり数字は苦手…」という方も、大丈夫。
事業計画書の基本的な“構造”を理解し、クラウド会計のような便利な“ツール”を味方につければ、必ず乗り越えられます。
私も最初は、銀行の分厚い手引きとにらめっこしながら、一つひとつ学んでいきましたから!
今日お伝えしたことが、あなたの夢を実現するための一助となれば、こんなに嬉しいことはありません。
さあ、今日からできる第一歩として、まずはあなたの事業の「簡単な損益予測」を作ってみませんか?
紙とペンでも、Excelでも構いません。
「もし、これくらい売れたら、利益はどれくらい出るかな?」
そんな簡単なシミュレーションから、すべては始まります。
あなたの挑戦を、心から応援しています!
もし、また何か困ったことがあれば、いつでも「美咲の小さな会社のお金相談室」を訪ねてくださいね。
一緒に解決していきましょう!