お読みいただいているあなたは、小さな会社を経営していたり、これから起業を考えていたりしませんか。
資金繰りの不安に襲われて「今月の支払いは間に合うのかな……」と夜も眠れない、そんな日が続いていませんか。
実はこれ、意外と多くの経営者さんが抱えている悩みなんです。
でも、大丈夫です。
今日から「お金の流れ」を見える化して、必要な対策を打つだけで、あなたの会社の資金繰りはグッと改善していきます。
私自身、元メガバンクの法人融資担当として、多くの中小企業や起業家さんが「惜しいビジネスモデル」を持ちながら融資審査に通らず苦労している姿を見てきました。
そこで「金融知識の民主化」を目指してフィンテック業界に飛び込み、さらに独立してファイナンシャルプランナー兼ライターとして活動しています。
YouTube「美咲の小さな会社のお金相談室」というチャンネルでも、まさに資金繰りに関する質問をたくさんいただきます。
このチャンネルのコメント欄で最も多いのが「小さな会社やフリーランスがまず最初に取り組むべき資金繰り対策は何ですか?」というもの。
そこで今回は「小さな会社が知っておくべき資金繰りの知恵」を、私の銀行員時代の裏話やフィンテックで培った経験も交えてお伝えしますね。
「え、銀行では教えてくれないの?」と驚かれるポイントもあるかもしれませんが、それも含めて包み隠さずお話しします。
あなたの会社の経営がよりスムーズになり、毎日をもっと前向きな気持ちで過ごせるようになるはずです。
それでは、一緒に解決への一歩を踏み出していきましょう。
目次
小さな会社が押さえておきたい資金繰りの基本
資金繰りとは何か
「資金繰り」とは、カンタンに言えば「お金の入りと出をタイミングごとに管理すること」です。
会計上の売上があっても、実際にお金が入ってくるタイミングが遅ければ手元資金が不足しがちになります。
つまり「キャッシュフロー管理」と近い概念ですが、資金繰りはもっと生活に密着した感覚で「いつ、いくらお金が入ってきて、いつ、いくら支払いがあるか」を常に意識する作業を指します。
私が銀行員だった頃、「黒字倒産」なんて言葉を何度か耳にしてきました。
これは決算上は利益が出ているのに、実際のお金の流れが追いつかず支払いができずに倒産してしまうケースです。
そのくらい、お金が「今、どこにあるのか」「いつ動くのか」を正確に把握することは大事なんですよ。
資金繰りが滞るリスクと影響
資金繰りがうまくいかないと、最初に影響を受けるのは取引先への支払いと従業員への給与です。
支払いが遅れると信用を損ない、次の取引条件が厳しくなることも珍しくありません。
また、給与が滞れば従業員のモチベーションは一気に下がり、事業全体にマイナスのスパイラルが広がります。
経営者としては「今月の支払いが間に合うかどうか」で頭がいっぱいになって、本来集中すべき業務がおろそかになってしまうこともあります。
いわば資金繰りは、事業の血流のようなもの。
血流が悪くなると、体全体のパフォーマンスが落ちるのと同じです。
もしあなたの会社がこのような状況に陥りそうな予感がしたら、早めに手を打つことがとても重要です。
銀行員時代も「もっと早く相談してくれたら、こんなに苦労しなくて済んだのに……」というケースを何度も見てきました。
何かおかしいなと感じた段階で、資金繰りを再確認してみてくださいね。
具体的な資金繰り改善のポイント
売掛金・買掛金の管理徹底
まずは「売掛金(売上としては計上されているが、まだ入金されていないお金)」と「買掛金(仕入れなどで支払いが確定しているお金)」の管理をしっかり行うことが大切です。
私が実際に経営者の方と面談するときは、まずエクセルやクラウド会計ツールなどを使って「売掛金の回収予定日」「買掛金の支払い予定日」を一覧で整理してもらいます。
ここでおすすめなのが、売掛金を回収する方法をできるだけ増やすこと。
例えば、支払いサイトを短縮交渉する、ファクタリングで早期に現金化するなど。
一方で、買掛金は支払いサイトを伸ばす交渉が可能かどうかを検討します。
「交渉なんて難しそう……」と思うかもしれませんが、売り手と買い手の双方にメリットがある形を探すことは十分可能です。
- 売掛金回収を早める手段
- 買掛金支払いサイトを伸ばす交渉
- ファクタリングで売掛金を早期現金化
- 定期的な請求書確認で未回収リスクを軽減
こうしたポイントを押さえて管理を徹底するだけでも、資金の流れがかなり変わってきます。
実はこれ、銀行ではあまり詳しく教えてくれないことが多いんです。
だからこそ、早めのアクションがカギになります。
固定費・変動費の見直し
次に手を付けたいのが、固定費と変動費の見直しです。
特に毎月固定でかかる経費は、一度決めたらなんとなく支払い続けていませんか。
┗ オフィス家賃や光熱費
┗ 人件費(アルバイト・パート含む)
┗ サブスクリプション型のサービスやクラウドツール
これらを見直すだけでも、かなりのコストダウンになります。
例えばオンライン会議ツールやSNSマーケティングに移行することで、広告費や交通費の削減ができるかもしれません。
私の知り合いの経営者さんは、会議用のクラウドツールを厳選して絞るだけで毎月2万円以上のコストダウンに成功していました。
逆に売上に直結する部分や、効率化に大きく貢献しているサービスはむやみに削らず、「投資」として捉える意識も必要です。
大事なのは「無駄」を洗い出すこと。
自社の経費をいま一度すべて棚卸ししてみると、新たな発見があるはずです。
お金のプロが勧める資金調達手法
銀行融資や補助金・助成金の活用
「銀行融資なんて自分の会社にはハードルが高い」と思っている方も多いですが、実は融資を受けるだけがゴールではありません。
銀行融資のメリットは、比較的低金利で長期の返済計画が組めること。
資金繰りにおいて長期的な安定を図るなら、一度検討してみる価値は十分あります。
融資を受けやすくするコツは、事前に事業計画やキャッシュフロー計画をしっかり立てておくこと。
自分が「どこから、どのタイミングで、どれだけのキャッシュが入ってくる見通しなのか」を明確に説明できると、銀行側も安心して融資してくれる可能性が高まります。
また、補助金・助成金も小さな会社には強い味方です。
特に創業期や新規事業にチャレンジする際は、各省庁や自治体が用意している支援制度を活用しましょう。
実はネットで検索すると、思った以上にたくさんの補助金・助成金があります。
ただし、申請書類の作成が煩雑な場合もあるので、早めに情報収集を始めてくださいね。
ファクタリングやクラウドファンディング
最近では「ファクタリング」や「クラウドファンディング」といった新しい資金調達手法が注目されています。
ファクタリングは、売掛金を専門業者に買い取ってもらい、早期に現金化する方法です。
急に資金が必要だけど、銀行融資の審査や入金までの時間がかかる……そんな時に便利。
一方、クラウドファンディングは新製品やサービスのリリース前に「支援」という形で資金を集める仕組みです。
これは単にお金を集めるだけでなく、ファンや支持者を増やす機会にもなります。
私もフィンテックスタートアップ時代、この手法で多くの中小企業さんのプロジェクトをお手伝いしてきました。
想像以上にPR効果が高く、認知度アップにもつながるのが魅力です。
- ファクタリングで手元資金を早期確保
- クラウドファンディングでファンを巻き込みつつ資金調達
- 銀行融資や補助金との併用でリスク分散
こうした選択肢を組み合わせると、資金繰りの安定感が増してきます。
プロの視点で行う資金繰り計画
専門家に相談するメリット
「資金繰りが不安だけど、どこから手をつけたらいいのかわからない……」という方は、ぜひプロに相談してみてください。
私自身もファイナンシャルプランナーとして、企業のお金の流れを客観的に分析し、改善策を提案しています。
実は、税理士さんや経営コンサルタントさんに相談すると、銀行との交渉もスムーズになることが多いです。
プロ同士の共通言語があるので、金融機関に対して「この会社はしっかりお金を把握している」と示すことができます。
また、補助金・助成金の申請手続きなど、書類の作成を手伝ってくれるケースもあります。
- キャッシュフロー分析に基づく改善提案
- 銀行との交渉サポート
- 補助金や助成金の申請支援
- 中長期的な資金繰り表の作成
専門家に任せるのはコストがかかるかもしれませんが、その分リターンも大きい。
特に経営者が苦手とする書類作成の部分や金融機関との交渉窓口を代行してもらえるだけでも、かなりの時間とストレスを削減できますよ。
資金繰り表とキャッシュフロー計画の作り方
さて、ここで簡単な資金繰り表のイメージを見てみましょう。
次のような表を作成して「今月どれだけ入ってきて、来月どれだけ出ていくのか」を月単位でチェックしていきます。
項目 | 今月 | 来月 | 2か月後 |
---|---|---|---|
売掛金回収予定額 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
その他入金予定 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
合計入金 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
仕入・外注費支出 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
人件費支出 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
その他固定費支出 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
合計支出 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
手元資金残高 | 〇〇円 | △△円 | □□円 |
このように、月次・週次で数字を更新していくと「手元資金が足りなくなる時期」が事前にわかります。
早めにわかれば、銀行融資やファクタリングを検討したり、固定費の削減や入金サイクルの改善を行ったりできますね。
私のYouTubeチャンネルでも、この表の作り方を解説する動画をアップしていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
資金繰り表はあくまで「現実を可視化する」ツールです。
そこにキャッシュフロー計画を合わせて、将来的な投資や設備費用も含めた資金の動きを予測すると、より正確な資金繰り対策が打てるようになります。
まとめ
小さな会社にとって、資金繰りはまさに経営の生命線。
私も独立して最初のころは、資金繰りに頭を抱える日々が続いていました。
ですが、売掛金・買掛金の管理を徹底したり、固定費を見直したり、銀行融資やクラウドファンディングなど複数の資金調達手段を組み合わせたりすることで、驚くほど気持ちが楽になりました。
何よりも大切なのは、資金繰りを「やりくり」ではなく「戦略」として捉えること。
手元資金を安定させることは、本業に集中するための土台づくりでもあります。
そして、もし少しでも不安を感じるなら、税理士やファイナンシャルプランナー、経営コンサルタントといったプロに相談してみましょう。
「いや、うちみたいな小さな会社は相談なんて大げさじゃない?」と思うかもしれません。
でも、実は小さな会社ほど専門家の力を借りて、早めに手を打ったほうが結果的にリスクもコストも小さく済むんです。
今回ご紹介した内容を、ぜひ今日から少しずつ実践してみてください。
資金繰りの不安が消えていくと同時に、あなたのビジネスに新しい可能性が広がるはずです。
一緒に、安定した資金繰りで未来を築いていきましょうね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
「困った」を「チャンスに変える」資金繰りの知恵が、あなたの会社の明るい未来に役立ちますように。